「審査に通った」と聞いてホッとしたのも束の間、その後まったく連絡がこない。
「もしかして落ちたの?」「契約できないの?」と、不安で落ち着かない方も多いでしょう。
実は、賃貸審査通過後にしばらく連絡がないのは珍しいことではありません。
その裏では、不動産会社やオーナーが契約準備や最終確認を進めているケースがほとんどです。
本記事では、
審査通過後に連絡がこない主な理由と、どのくらい待つべきかの目安、焦らず確認するための具体的な対処法を、実例を交えながらわかりやすく解説します。
この記事を読めば、「なぜ連絡がこないのか」が明確になり、モヤモヤした不安を解消して、次の一歩を安心して踏み出せるはずです。
賃貸審査通過後の一般的な流れ
審査通過後のステップを時系列で解説
賃貸契約には、いくつものステップがあります。
「審査に通ったからすぐ契約」というわけではなく、実際はこのような流れで進みます。
1,入居申込書の提出:個人情報や勤務先、年収などを記入して申込み。
2,不動産会社・管理会社・保証会社による審査:支払い能力や身元の確認が行われます。
3,審査結果の通知(「通過しました」と連絡):ここで多くの人がホッと一安心。
4,契約内容の確認・重要事項説明:宅地建物取引士が契約条件を説明します。
5,契約書への署名・押印:正式な契約書類を交わします。
6,初期費用の入金:敷金・礼金・前家賃などを支払います。
7,鍵の受け渡し・入居開始
この中で「審査通過後に連絡がない」と感じるのは、3から4に進む間のタイミングです。
実はこの間、不動産会社側では契約書類の作成やオーナー確認などの作業が行われており、すぐに進展が見えないことが多いのです。
「審査が終わったのに進まない」というより、「次の準備をしている段階」と考えると安心です。
連絡までにかかる一般的な期間
では、実際にどのくらい待てばよいのでしょうか?
一般的には、審査通過後1〜3営業日以内に次の案内(契約日時や初期費用の案内など)が届くケースが多いです。
ただし、物件の管理体制やオーナーの確認スピードによっても変わります。
・管理会社が別会社の場合 :書類のやり取りに数日かかる
・オーナーが個人の方:休日や仕事の都合で承認が遅れる
・繁忙期(2〜3月):契約処理が立て込んで遅れがち
そのため、3日程度の待機期間は想定の範囲内と考えて、土日を挟めば1週間近く空くことも珍しくありません。
この時点で慌てる必要はないでしょう。
賃貸審査に通ったのに連絡がこない主な理由
「審査通過の連絡があったのに、その後なぜ音沙汰がないのか?」、実際には、いくつかのパターンが考えられます。
大家・管理会社の最終確認が遅れている
多くの物件では、審査に通ってもオーナー(大家さん)の最終承認が必要です。
保証会社から「この方は問題なし」とOKが出ても、オーナーが最終的に「この人に貸す」と承認しないと契約は進められません。
この最終確認に時間がかかる理由としては、
・オーナーが多忙で連絡が取れない
・管理会社が他の物件も同時進行で対応中
・契約条件(家賃開始日やペット可否など)の最終調整中
などが挙げられます。
つまり、「審査通過時点で契約完了」ではなく、審査と契約の間にもう一段階の承認プロセスがあるということです。
他の入居希望者との調整中
特に人気物件では、同時に複数の申込みが入っているケースも多く見られます。
審査に通ったとしても、他の申込者と条件を比較して最終決定を行うことがあるのです。
・入居開始日が早い人が優先される
・法人契約の方が安定していると判断される
・家賃交渉のタイミングによって順位が変わる
不動産会社も、どちらに決定するかが固まるまで明確な返答を出せないため、連絡が遅くなることがあります。
決してあなたに問題があるわけではなく、「条件調整中」という待ち時間である可能性が高いです。
不動産会社・管理会社側の事情
担当者の多忙・連絡漏れ
賃貸の繁忙期(1〜3月)は、担当者が朝から晩まで対応に追われています。
1人で20〜30件の顧客を抱えていることも珍しくありません。
そのため、
・メール返信が後回しになる
・書類準備を優先して連絡を忘れる
・担当者が休みで引き継ぎができていない
といった単純な遅れも起こりがちです。
「忙しい時期だからちょっと遅れているのかも」と考えると、気持ちが少し楽になります。
社内での書類処理・契約準備中
審査通過後は、不動産会社内部でもさまざまな事務作業が進行します。
・契約書の作成・チェック
・重要事項説明書の準備
・管理会社との最終調整
・鍵交換やクリーニングの日程確認
これらはすべて、あなたが安心して契約できるように整えるための時間です。
つまり「連絡がないから放置されている」ではなく、「契約に向けて社内で動いている」ことも多いのです。
入居者側(あなた)に原因があるケース
連絡が取れない・書類に不備がある
意外にも、原因が「自分側」にあるケースもあります。
・申込書の電話番号が間違っていた
・メールが迷惑フォルダに入っている
・Gmailのフィルター設定で受信できていない
・保証人の書類に不備がある
これらはよくあるトラブルです。
不動産会社は個人情報を扱うため、誤った連絡先には確認できないこともあります。
審査が通った後も、念のために自分の連絡手段や書類をチェックしておきましょう。
保証会社の最終確認待ち
「審査通過」と言われた時点で、実は保証会社の審査がまだ途中ということもあります。
不動産会社によっては、自社の一次審査を「通過」と伝える場合があるため、実際の保証会社の承認が完了するまで少し間が空くのです。
特に以下のケースでは、時間がかかる傾向があります。
・保証会社が複数存在する物件
・契約者が個人事業主・フリーランスなどで収入証明が必要
・保証人の確認が遅れている
このような場合も、最終確認が終わるまで数日かかるのは自然な流れです。
このように、「連絡がこない」背景にはさまざまな事情があります。
どれも致命的な問題ではなく、ほとんどが一時的な待ち時間にすぎません。
だからこそ、焦らず冷静に状況を見守ることが大切です。
どれくらい待てばよい?目安と判断基準
連絡がない期間の目安(1~3日程度)
不安になる気持ちは当然ですが、まずは3営業日程度は待つのが基本です。
この期間、不動産会社やオーナー側では次のような手続きが進められています。
・契約書や重要事項説明書の作成・確認
・オーナー(大家さん)への最終承諾の確認
・保証会社や管理会社との連携・照合作業
・他の申込者との比較・調整
これらの確認作業にはどうしても時間がかかります。
また、不動産会社の「営業日」と「カレンダー上の日付」は異なることも多く、土日を挟むと返信が週明けになるのはよくあることです。
つまり、「3営業日とは土日を除いた平日3日」を目安に考えるのが現実的です。
焦って連絡してしまうよりも、この期間は待つ時間と割り切りましょう。
3日以上連絡がない場合の確認ポイント
3日以上経っても音沙汰がない場合は、状況確認の連絡を入れてOKです。
ただし、「まだ決まっていないから落ちた」ではありません。
多くのケースでは、以下のような理由で連絡が遅れているだけです。
・オーナーの最終確認待ち
・契約書類の準備に時間がかかっている
・担当者が繁忙期で処理が追いついていない
・書類不備があり、確認作業がストップしている
こうした事情も多いため、問い合わせ時は感情的にならず、淡々と確認するのが大切です。
問い合わせる際は、以下のように伝えるとスムーズです。
「○日に申込をした〇〇です。審査結果についてご連絡をいただいておりましたが、
その後の手続きについて確認させていただけますか?」
この言い回しなら、相手にプレッシャーを与えず、誠実な印象を与えられます。
結果的に、担当者も「丁寧な方だな」と感じ、優先的に対応してもらえることもあります。
やってはいけないNG対応
焦って他の物件を同時契約する
「連絡が来ないから不安」と、他の物件にも申し込みをしてしまう人がいますが、これは最も避けるべき行動です。
審査に通った後に複数契約を進めてしまうと、
・二重契約でキャンセル料が発生する
・担当者やオーナーからの信用を失う
・保証会社の今後の審査に影響する
といったトラブルに発展することがあります。
もし別の物件も気になる場合は、「本命の結果が出るまで仮押さえできるか」を相談するなど、正直に相談するのが安全です。
感情的なクレームや催促
「どうなってるんですか?」「連絡が遅すぎます!」と感情的に伝えてしまうと、相手は「対応しづらいお客様」と感じてしまい、逆効果です。
不動産会社やオーナーは「入居後も長期的に関わる相手」を見ています。
やり取りの丁寧さや落ち着いた態度は、信頼を得る大きな要素で、焦る気持ちは理解できますが、落ち着いた対応を心がけましょう。
正しい対処法と確認の仕方
不動産会社への問い合わせ例文
不安を感じたときは、丁寧な文面で状況を確認するのが最も確実です。
以下の例文をメールやLINEで送ると好印象です。
件名:賃貸申込後の確認(〇〇物件)
〇〇不動産 〇〇様
いつもお世話になっております。〇月〇日に〇〇物件に申込みをしました〇〇です。
審査結果についてご連絡をいただきましたが、その後の手続きの進行状況を確認させていただけますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
「催促」ではなく「確認」という姿勢を見せることで、相手に圧を与えず、誠実に対応してもらえる可能性が高まります。
連絡が取れない場合の最終手段
もし、担当者に何度連絡しても返信がない場合は、次のステップを取りましょう。
・不動産会社の代表番号に電話し、「担当者につないでもらえるか」を確認
・管理会社や保証会社に直接問い合わせて進捗を確認
・それでも進展がない場合は、他の物件を検討する
対応が遅い不動産会社は、契約後のトラブル対応も遅い傾向があります。
「ここで無理をしても入居後に苦労するかも」と考え、切り替える勇気も大切です。
実践例・ケーススタディ
例1:担当者の多忙で連絡が遅れたケース
審査通過の連絡を受けたあと3日間音沙汰がなかったAさん。
思い切って電話をしてみたところ、担当者が繁忙期で対応が追いついていなかっただけでした。
結果、手続きはすぐに進み、希望日に入居できました。
「確認する勇気」が安心につながったケースです。
例2:書類不備で連絡が途絶えていたケース
Bさんは、保証人の印鑑証明に誤りがあり、再提出を求められていたことが判明。
早めに確認したおかげで、翌日には契約完了。
「もっと早く聞いていれば」と後悔したそうです。
書類不備があると、やり取りが止まることもある点に注意しましょう。
例3:他の申込者と競合していたケース
人気物件に申し込んだCさんは、審査通過後も連絡がなく不安に。
数日後、「他の申込者が優先された」との連絡が入りました。
しかし、その間に他の物件を見学していたため、すぐに次の契約へ。
「待つ」「確認する」「動く」バランスを取ることが成功の鍵です。
まとめ
賃貸審査に通ったのに連絡がこないと、不安や焦りが募るのは当然のこと。
しかし、実際には「放置されている」わけではなく、裏で準備や確認が進んでいることがほとんどです。
まずは3営業日を目安に落ち着いて待ち、それでも音沙汰がない場合は、丁寧に確認する勇気を持ちましょう。
感情的にならず、誠実な態度を貫くことで、相手からの信頼も得られます。
そして、もしそれでも対応が遅い場合は、「次へ進む」決断も立派な選択肢です。
あなたの理想の新生活は、冷静で前向きな判断の先にあります。
焦らず、一歩ずつ確実に進んでいきましょう。

